おはようございます。広報のhiroです。
2012年3月に始まった及川光博様のワンマンショーツアー2012「銀河伝説」。
ヒビノは以前より及川光博様のコンサートで、音響を担当させていただいています。
今月ファイナルを迎えた同ツアーですが、6月2日・3日にNHKホールで開催された2DAYS公演では、ヒビノサウンド Div.のPA(コンサート音響)だけでなく、レコーディングチームも入り、ライブ収録が行われました。
以前のブログで、『現場に出動する録音中継車の様子を紹介したい』と私の希望を書きました。
今回、及川光博様のコンサート現場にお邪魔させていただきましたので、録音中継車を用いて行われたライブレコーディングの様子を少しご紹介したいと思います!
2012年6月2日。コンサート当日の朝8時前。
スタッフは現地に集合し、機材車輌も続々と会場に到着。
朝から搬入や仕込みが行われ、同日の夕方には本番を迎えます。
全長10.77メートル、全高3.45メートル。
この青い大きな車がヒビノの録音中継車「オデッセイ(ODYSSEY)」。
モバイル型のスタジオです。
レコーディングエンジニアは、ヒビノサウンド Div.の熊田さんです(↓写真中央)。
3名のスタッフと共に、全4名でライブレコーディングを行います。
回線表を手にシステムや作業の流れ、役割等を簡潔に確認し、作業開始です。
録音中継車「オデッセイ(ODYSSEY)」は中継車でありながら、その内部はスタジオレコーディングと同等の機材に、解像度の高いモニター環境など、スタジオレベルの録音空間を実現した作りになっています。
でも、オデッセイは車です。
普通、車は駐車環境によっては水平になりませんし、エアーサスペンションの空気を全て抜いたとしても、揺れるもの。
それらの対策となる設備として、オデッセイにはジャッキが内蔵されていまして、約17トンもある車体をジャッキアップし、水平かつ揺れないようシッカリと固定することができます。
左右の前方と後方、計4ポイントで固定。
『たった4点で、この大型車輌が固定できちゃうんだなー』
などと思っているあいだに作業は完了。あっという間です。
さて、ライブレコーディングを行うために、オデッセイの車体につなげるケーブルが2種類あります。
1つは電源のケーブルです。
電源車の送電盤と、オデッセイの後部にある受電盤をケーブルでつないで、オデッセイに100Vまたは200Vの電源を供給します。
もう1つは音のケーブル、マルチケーブルです。
ステージ上のマイクロホンに入った音を、会場外のオデッセイで録音するために、両者をつなげるケーブルです。
オデッセイの後部には、マルチケーブルを接続する外端盤があります。
オデッセイから伸ばしたマルチケーブルは、会場の裏側にある搬入口を通って、場内のステージ袖へと引き回します。
ステージ袖(上手側)には、モニターPAシステムが組まれていて、その後方に、“スプリッター”が設置されています。
スプリッターには、ステージ上のマイクロホンなど音の回線が入力されており、その音が、録音システムとモニターPAシステムへと送られています。
この写真(↑)は、ステージの真横から(上手袖から下手側を向いて)撮ったもの。
モニターPAシステムです。その手前の方に写っているのが、スプリッター。
下の写真(↓)がそれです。
スプリッターと一緒に写っている、灰色の3本のケーブル(写真左下)が、オデッセイとつながるマルチケーブルですね。
こうして、音の入り口「マイクロホン」と、レコーダーがある中継車が繋がり、アーティストの音は、このマルチケーブルを通ってオデッセイまで送られます。
現場作業は時間勝負でもありますので、この後も、安全かつ迅速に作業は進行。
ちなみに・・・ハウスPAには、録音やモニターとは別に回線がいっています。
FOHのコンソールはSoundcraft Vi6でした。
ハウスPAは客席エリア内に組まれているので、一部のお客様からも見えますが、録音中継車の様子を、ご来場者様が目にされることは、まずありませんよね。
そんなわけで、次は、肝心の「オデッセイの中のお話」に続きたいと思います。
それではまた!
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