おはようございます!広報のhiroです。
当社のヒビノサウンド Div.は、PA・SR(コンサート音響)からライブレコーディング、トラックダウン、マスタリングまで“ライブシーン”における“音響”のトータルサービスを提供している事業部です。
『ヒビノのライブレコーディング』といえば、前にこのブログでも紹介した大型録音中継車“ODYSSEY(オデッセイ)”を思い浮かべてくださるお客様も多いのかなと思いますが、この程、ヒビノの新しいライブレコーディングシステムが登場しました。
その名もMADIC(マジック)!
MADIC(マジック)は、デジタルオーディオインターフェイスMADI(マディ)に特化した高音質なライブレコーディングシステムです。
MADIに特化したハイクオリティなライブレコーディングシステム
“MADIC(マジック)”(運用開始に関するお知らせはこちら)
さて、お話は一ヶ月ほど前にさかのぼりまして、2013年5月上旬、MADIC(マジック)の本格稼働を目前に控えたある日、実際のライブレコーディングでMADICを走らせて、テスト可動をさせると聞き、私も収録現場へ行ってきました。
都内のコンサート会場の楽屋です。
この日は、録音中継車ODYSSEYではなく、ライブ会場の“楽屋”で収録作業を行っていました。
持ち込んだレコーディングシステムは、ずらっとこんな感じ。
新しいレコーディングシステム“MADIC(マジック)”はテスト運用なので、従来のシステムとMADICの両方が、設置されています。
一番左のケースに収まっているシステムがNEWシステムの“MADIC(マジック)”です。
その他(右の4つ)のラックに入っているのが、従来の簡易ライブレコーディングシステム。
(ちなみに、この日、MADIC(マジック)のラックには、基本システム以外の機器もマウントされているので、MADIC自体はもう少しコンパクトです。)
“コンパクト”で“高音質”なシステムだと聞いてはいましたが、想像以上で「これ(一番左のフライトケース)だけですか?」「これ(MADIC)とこっち(従来のシステム)って、同じことが出来るんですか?」という感じの質問を、4~5回くり返してしまいました。答えはもちろんYES。
「性能は?音質は?品質は?」このあたりも気になるところですが、一回限りの“ライブ”を収録するシステムですから、MADICを構築するにあたり、絶対的な信頼性と高品位な音質を、徹底的に追求しています。
「クオリティは、上げることはあっても落とさない。」
とチーフエンジニアの熊田さんから、力強い言葉をもらいました。
MADIC(マジック)の特徴の1つは、MADI(マディ)オーディオに特化しているという点です。MADIC(マジック)は、3系統のMADI(マディ)を備えていて、最大192チャンネルのMADI収録を可能とします。
MADI(マディ)は、PA・SR用デジタルミキサーに多く採用されているインターフェイスの1つで、SoundcraftのSiシリーズ、Viシリーズ、DiGiCoのSDシリーズなどもMADIに対応しています。
PA・SRの音響システムは、MADI(マディ)の浸透率がけっこう高いのではないでしょうか?
PAシステムがMADI(マディ)対応であれば、MADIC(マジック)とPAのステージラックあるいはローカルラック等をMADIケーブル(光または同軸)で接続するだけで、PAの音声回線を録音できます。
これは、ステージ袖でとった写真です。
写真中央の青い機器がMADIC(マジック)のシステムの一部。
この日のPAシステムには、DiGiCoのSDシリーズが使われていて、そのPAシステムから出力されたMADIシグナルをこの機器で受け、楽屋に設置したレコーディングシステムへ伝送し、収録しています。
音質面はもちろん、システムの構築がシンプルだというのもMADIの良いところでしょうか。
さらに、DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)のラインアップも、MADIC(マジック)の特徴の1つです。
MADICのモニターに、見たことのないウインドウが表示されていて、『これって、プロツー???・・・じゃないよねぇ???』と考えていたら、Nuendo(ヌエンド)という業務用DAWなのだと教えてもらいました。
MADIC(マジック)のDAWは、Pro Tools HDXはもちろん、最新のNuendo 6(ヌエンド 6)をラインアップしています。
現在、音楽制作のDAWで最大級のシェアを持つのは、やはりPro Toolsですが、「Nuendo(ヌエンド)」は、音質の良さに定評がありまして、DAWを導入する際、Pro Toolsではなく、あえてNuendoを選ぶ人も増えているのだとか。
音の良さや高い信頼性はもちろん、Pro Toolsとの高い互換性が確保できる点もNuendoの良いところです。
この日の収録は、48kHz/24bit(サンプリング周波数/量子化ビット数)で行っていますが、MADIC(マジック)は、最高192kHz/32bitのライブレコーディングが可能です。
とは言っても、現時点では、PAシステム側の主流が48kHz/24bitなので、同じレートで収録することが多いです。
ちょっと話がそれますが、CDのサンプリングレートは、44.1kHz/16bitです。
だとすると、コンサート会場で聴く音(PAの音)って、実はCDよりスペック高いんですね。
さて、いよいよ本番の収録が始まりました。
録音システムをオペレートするのは、ヒビノサウンド Div.のレコーディングエンジニア陣です。
奥(写真中)でフェーダーを握るのはチーフエンジニアの熊田さん、手前(写真左)でMADICに向かうのは佐々木さん、中央(写真右)でレコーダーを操作しながらシートをつけているのは松本さんです。
システムが変わっても、ライブ本番の緊張感はかわりません。
この日、MADIC(マジック)の動作は安定そのもので、無事にテストランを終了しました。
5月中旬より、本格稼働を開始しています。
早速、MADICの高品位な音質に、ご好評をいただけているそうです。
収録のご要望によって、MADIC(マジック)のみを会場内に持ち込んで収録することもできますし、録音中継車ODYSSEYでMADICを運用することも勿論可能です!
ODYSSEY(オデッセイ)とMADIC(マジック)というハイクオリティな最強タッグで行う本格的なライブレコーディングは、かなり興味が湧きます!
ヒビノのNEWレコーディングシステム「MADIC(マジック)」の活躍にご期待ください。
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