未曾有の大災害といわれる東日本大震災の発生から1年が経過しました。
この震災により犠牲になられた方々へ、改めて哀悼の意を表しますと共に、被災された方々へ心からお見舞いを申し上げます。
みなさまは、「h.イマジン」というお店をご存知でしょうか?
h.イマジンは、冨山 勝敏氏が、岩手県 陸前高田市で営んでいたジャズ喫茶です。
連日、多くの人でにぎわった音楽の場「h.イマジン」は、東日本大震災の津波で流されました。
2011年4月以降、河北新報を始め、テレビや新聞など複数のメディアで報じられたので、地元以外にも、ご存知の方が大勢いらっしゃると思います。
その「h.イマジン」が、今月11日、岩手県 大船渡市内に復活し、再びジャズを響かせ始めました。
h.イマジンの再興に、オーナー冨山氏の大変なご尽力があったことは勿論、その裏側に、日本全国に広がった“支援の和”があったことも、有名なお話でしょうか。
この1年の間に、全国各地からよせられたレコードやCDは、約5千枚に及ぶそうです。
当社も、東日本大震災の発生後、被災地での電力供給や、各事業所の節電等を実施しながら、音と映像を扱う事業者として、ヒビノに何が出来るのか、これから何をすべきかを考えていました。
そんな折、地域の人々の憩いの場であった「h.イマジン」が、津波の被害をうけた事実と、冨山氏がh.イマジンの再建を心に決めている事を知り、その姿に感銘を受けました。
このジャズ喫茶が再開することは、地場に根付いた「音楽の場」が再び開かれることであり、その地の方々に、時には癒しや活力ともなり得る『音楽』が届くことでもあると思いました。
ヒビノができるお手伝いをするべく、弊社の日比野社長から、h.イマジンの冨山氏に音響機器のご協力を申し出ました。
機器のメンテナンスや仮組み等を社内で実施し、2012年2月28日、日比野社長と、当社で長年コンサート音響のオペレートを手がけてきた小野さんが、新設された「h.イマジン」へお伺いし、音響機器の贈呈と、設置・調整をさせていただきました。
お持ちしたスピーカーは、JBL “4530BK”とJBL “2345”という、リア・ローディング・ホーン式のフロアスタンド型スピーカーとラジアルホーン。
約40年前の当社が、国内に向けて販売していた業務用音響機器の1つです。
当時、音楽喫茶等にも納めたスピーカーで、ヒビノの歴史として当社に保管・展示していた物でした。
(h.イマジンにて。写真中央:冨山氏、左:日比野社長、右:小野さん)
このスピーカーは、米国の音響ブランド「JBL」のProfessional Seriesとして1971年に発売されました。(現在は製造・販売を終了した型番です。)
同年、ヒビノ電気音響株式会社(現 ヒビノ株式会社)は、「JBL」の業務用スピーカー(現 JBL PROFESSIONAL)の国内販売を開始します。
1970年代の日本は、物質的な豊かさを手に入れ、生活に『ゆとり』を求めた時代と言われます。
本場のジャズレコードを一般家庭には無い高品質な音響システムで鑑賞できた「ジャズ喫茶」。
そこにはジャズファン、ミュージシャン、オーディオ愛好家など多くの人が集い、日本の流行となりました。
JBL 4530の特徴は低音です。
4530が持つパンチの効いた迫力、量感ある低域の鳴りは、ジャズミュージックとも愛称がよく、最高水準のPAサウンドなどとも称されました。
業務用としてはもちろん、多くの音楽愛好家やオーディオファンからも愛され、伝統的なジャズ喫茶に支持されたJBLの4530が、また日本のジャズ喫茶で、毎日、音楽を鳴らすことができる。そして、その音を多くの人々に聴いてもらえる。
これはスピーカーにとっても本望に違いなく、JBL 4530BKはh.イマジンで喜んでいるだろうと日比野社長は話していました。
今日もh.イマジンでは、心に響くJAZZ SOUNDが鳴っていることと思います。
ここに h.イマジンの開店をお祝い申し上げます。
東日本大震災がおこったあの日から、私達は一人一人が出来ることを考え、非力ながらも実施してきたつもりです。
被災地の一日も早い復興を願う気持ちは、今も変わりません。
復興という言葉とは、まだ遠く思える現状を目の当たりにする事もありますが、各々がそれを受け止め、考え、いま私たちに出来ることを継続してまいります。
[投稿者:hiro]
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