[投稿者:hiro]
会社の中というのは、言うなればその企業の『舞台裏』。お客様と接するシーンが『表舞台』なら、普段、私が働いているオフィスはヒビノのバックステージです。
少々大げさではありますが『HIBINO社内ツアー』と銘打って、ヒビノの内側の風景をこのブログで紹介していきたいと思います。
ウラヒビノ、ちょっと、のぞいてみませんか?
さて、今回は、ヒビノグループが行っている社内向け講習会「グループセミナー」を紹介します。
まず、ヒビノグループは、ヒビノ株式会社と子会社13社からなる企業集団です。従業員数は、グループ全体で800名※を超えます。(※2016年11月30日現在)
私が入社した11年前は、ヒビノは単体(グループ会社なし)で「ヒビノ=音響・映像」という直球のイメージを持っていました。
今でも「音響と映像のヒビノ」という大きな軸は変わりませんが近年は、ヒビノグループが手掛ける分野も多岐にわたっており「音響」と「映像」を核に、照明、建築(音響)、ライブハウスなど既存事業と密接した業界へ、領域の拡大をつづけています。
成長を続けるヒビノグループが、その力を最大限に発揮するにはグループ間の連携をより強固にし、相乗効果を生み出していくことが不可欠です。
とはいえ、例え「同じ会社」「同じグループ」に属していても、組織が大きくなればなるほど、連携の重要度とともにその難度も上がるもの。
そんな中で始まった取り組みの一つが、今回、紹介する社内セミナーでした。
社員一人ひとりが、グループ各社の業務や強みをより深く理解するための講習・勉強会というわけです。
当社グループセミナーの項目は、現在、大きく4つ
「電気音響編」
「建築音響編」
「映像編」
「照明編」
があり、それぞれ複数回に分けて開催しています。
講師も当社グループの従業員が務めます。
各業界の「匠」たちの講演。
社内向けのセミナーなので、ざっくばらんな話も期待できます。
“ヒビノ大好き!”な私としては、大変、興味深い時間です。
先日、開催したのは「電気音響編」の第2回。
音響機器の操作や音の聴きくらべを含む内容だったため、会議室ではなく、本社A館1階「プレビュールーム」が会場です。
プレビュールームは、天井が高く広々としていて、壁も床も天井も、黒とグレーのモノトーンカラーなお部屋です。
普段は、コンサートやイベントで使われる大型映像システムのレンタルとオペレートを手掛ける事業部「ヒビノビジュアル Div.」が、プロジェクターなどの機材準備、メンテナンス、仮組などのシミュレーション、お客様やお取引先様への試写といった用途で使っているスペースです。
つづいて、今回のセミナーで使用した音響機器と映像機材。
▼ミキサーは、Soundcraft “Si Performer 1”(デジタルミキサー)
スピーカーは、JBL PROFESSIONAL “PRX725”(2-Wayパワード・スピーカー)
ともに当社 ヒビノプロオーディオセールス Div.が取扱う商品です。
▼プロジェクターは、当社 ヒビノビジュアル Div.のレンタル機材。
講師は小野さん。1976年ヒビノ入社。PA事業部(現 ヒビノサウンド Div.)で56アーティストのチーフエンジニアを担当してきた大先輩です。
現在は、業務用音響機器の販売を行うヒビノプロオーディオセールス Div.にてテクニカルなサポートを中心に様々な案件に携わっています。
講習では、ヒビノが販売する「業務用音響機器」について、近年の傾向や変化、業界動向、当社を取り巻く外部環境、販売戦略、音響システムの設計方法と事例などヒビノプロオーディオセールス Div.の理解を深める内容に始まり、音の正体、音と電気の違い、人間の聴覚、スピーカーの構造と原理などといった「音」の基礎的な解説へと続きまして、さらに、ネットワークを活用したヒビノグループ独自の伝送およびサービス、スマートミキサーの研究など、将来に向けた取り組みや開発にも触れる盛りだくさんな内容でした。
さてさて、セミナーの途中には、息抜き的な楽しいコーナーとして自分の耳は、どこまで聴こえるか?耳の限界(すなわち耳年齢!?)をチェックしてみよう!という実験もありました。
人間の耳には、「可聴域」(聞こえる周波数の範囲)があり、一般的に、低音は20Hzから、高音は20,000Hzまでと言われています。
(ちなみに20Hz以下は超低周波音、20,000Hz以上は超音波。人の耳には聞こえません。)
しかーーーし!!!
可聴域は、加齢とともに狭くなっていくのです。
年齢を重ねるにつれ、高い音から徐々に聞こえなくなります。
これは耳の構造上、仕方のないことで、とっても自然な現象です。
大人で20,000Hzが聞こえる人は希少。まず、いないかな。
さあ、実験開始です。正弦波を再生。
20Hzからスタートし、20,000Hzまで徐々に音が高くなっていきます。
11,000Hzを超えたあたりから、みんな、ちょっと真剣になります。
耳を澄まして、聴覚に意識を集中!
ドキドキの結果、私は、16,000Hzあたりが限界でした。15,000Hzは確実に聞こえて、16,000Hzはちょっと怪しい感じ。これ以上高くなると、全く聞こえないんですよね・・・。
『本当に音、出てるの!?!?』って疑いたくなるくらい聞こえない。
10年前は17,000Hzが聞こえていた気がするのですが・・・加齢ですねぇ。
可聴域は個人差が激しく、本当に人それぞれ違うので、自分の耳が妥当かどうかは、なんとも判断できかねますが、すごくデリケートな音域なので、試聴環境によっても結果は多少左右されるし私の耳は普通あるいは良い方かなと、独断でポジティブ解釈しました。
さらに、体験コーナーをもう一つ紹介します。
ミキシングコンソール(音声調整卓)を操作して音楽をミックスするという「ミキシング体験」です。
サウンドエンジニアでなければ、なかなか触る機会のないミキシングコンソール。
せっかくなので、私も参加しました。
ミックスするのは、Pro Toolsのマルチ音源です。
全17トラックの音源が、ミキサーのチャンネルフェーダー14個に立ち上がっています。
1 Top (トップ/シンバルを中心にドラムセット全体)
2 Ride (ライドシンバル)
3 F.Tom (フロアタム)
4 H.Tom (ハイタム)
5 H.H. (ハイハット)
6 Sn /t (スネアドラム【トップ(上)】)
7 Sn /b (スネアドラム【ボトム(下)】)
8 Kick (キックドラム(バスドラム))
---(↑ここまでがドラムセット)---
9 Bass (エレキベース)
10 E.G. Lead (エレキギター【リード】)
11 E.G. Solo (エレキギター【ソロ】)
12 E.G. Back (エレキギター【バック】)
13 Cho (コーラス)
14 Vo (ボーカル)
という感じ。ちなみに下線を引いたチャンネルはステレオ、その他はモノラルです。
これらの音をバランスよくミックスしなくてはいけません。
まずは、ドラムのバランスをとり、楽曲の土台を固めます。
キックを上げて、スネア、ハイハット、トップ・・・ベース、ボーカル・・・。
さらにイコライザーセクションのつまみを操作して、音色を加工していきます。
少々ぎこちなくチャンネルフェーダーやトリムフェーダーを操作する私の手元がプロジェクターで会場に映し出されていました。
あとになって『あっ!ハンドクリーム塗ればよかった』と思ったりして…(乙女か)。
体験中は本当に真剣だったので、考えもしませんでしたが。いやはや盲点でした(笑)
普段、業務用機器の操作などする機会のない事務方のスタッフも自社が扱う「音」(音響機器とその機器を操作してコントロールする音)に直接触れ、感じることができたセミナーでした。
振り返ってみれば、このブログの「HIBINO社内ツアー」は、2013年にお届けした「@本社A館エントランス編」以来の発信でした。
そのエントランスすら、当時とは様変わりしております。
うーん・・・反省。
ヒビノの舞台裏、また紹介させていただきます。どうぞお楽しみに!
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