ヒビノ×多摩美術大学が産学連携!スマートイルミネーション横浜で披露した共作アートが深かった


本年11月に4夜限りの国際アートイベント「スマートイルミネーション横浜」が開催されました。会場は横浜の臨海部にある象の鼻パークです。LEDをはじめとする環境・省エネ技術と現代アートの創造性を融合させた21作品が立ち並び、地球に優しい未来の夜景のあり方を提案しました。


ヒビノ多摩美術大学は、共同制作した産学連携作品「シルクルーム」を出展。


どんなアート?

なんでヒビノと多摩美術大学?

どうした!?ヒビノ


広報のhiroがレポートします。




映像で実現した光のアート「シルクルーム」

いつもはコンサートステージを彩るLED装置「S18」を作品に仕込む!


じゃん!

こちらが多摩美術大学×ヒビノのアートプログラム「シルクルーム」です。


同校の情報デザイン学科 メディア芸術コースの学生チームのデザインに、ヒビノの映像システム及び技術サポートが合わさって完成しました。


シルク(絹)の原材料である「繭(まゆ)」を模したオブジェは、幅3.5m×奥行2m×高さ2mとまあまあな大きさです。外から眺めるだけでなく、中に入ることもできました。



骨組みの内側に取り付けたLED装置が、無数に張り巡らせた糸を幻想的に照らします。一見すると照明装置のようですが、映像装置で実現する光の演出です(光は映像信号です)。

▲18.75mmピッチストリップ型LEDスクリーン「LED Strip S18」


一作品に使えるエネルギーは800Wまで。限られた電力の中で採用した機材がLED Strip「S18」×25本でした。


棒状の画面を一本一本自由に配置できるちょっと特殊なLEDスクリーンで、いつもはコンサート・イベントの演出に使っています。詳しくは後述しますが、あらかじめ撮影した動画やライブカメラの映像を映し出しました。



ちなみに作品を覆う糸の長さは約3,000m。繊維の種類や太さによって光の透過・拡散に差が出るため、理想の糸が見つかるまで10種類以上の糸で試作を繰り返したそうです。




シルクルーム誕生のコンセプト


シルクをテーマに据えたのは『土地のつながり』に着目したことからだと多摩美術大学の学生チームは語ります。


同校八王子キャンパスは、養蚕・製糸業が盛んだった「八王子市鑓水(やりみず)」にあります。一方、会場となった象の鼻パークは生糸貿易で栄えた「横浜港」発祥の地です。


八王子で作られた生糸は、横浜へ運ばれ輸出されました。2つの地を結ぶ道「浜街道」は日本のシルクロードと呼ばれています(今では国道16号や横浜線が通るあたり)。


ストリップ型LEDスクリーン「S18」には、八王子キャンパスから横浜までシルクルームを運ぶ道程を撮り溜めた動画や、作品のかたわらからシルクルームの中を狙うライブカメラの映像が流れていました。単なる照明ではなく、歴史的な文脈や道すがらの時間・風景がこの繭を照らしていたのです。


S18に映る『画』は、映像信号のほんの一角を複雑に切り出したもので、映像として認識できるものではありませんが、「光に映像を用いることで繭の芯となる動きのようなものを表せるのではと考えた」と話してくれました。


▲シルクルームの中をライブカメラで狙う様子。


作品の中にいる人をカメラがとらえ、繭の色はくるくると変化しました。赤い上着で、繭も赤く染まります。




「作品の中に入ると自分が蚕になれます」


と言われ、ドキッとしました。

カイコガの幼虫に?・・・なる?

お。ちょっとゾワゾワ。ちょっとワクワク。


蚕目線を味わってみることにします。



いま見ている光は、自分(蚕)の動き、そして自分が作った繭がたどる道です。生糸になってヨーロッパに輸出される過程や、織物となり人間の身にまとわれる未来まで連想させます。蚕はこの光にどんな感情を抱くのか。きれいだと見入るか、あるいは驚きか、はたまた恐怖か、無か。結局のところ、蚕の気持ちは分からなかったけれど、目に見えない物も計測し定量化するセンシング技術ではなく、あえて映像信号を光にしたことに、このアートの深さというか意義を感じました。



外側からの「人間目線」と内側の「蚕目線」は、違った印象で面白かったです。中は特にインスタ映えもしそうでした。大人から子どもまで多くの方が楽しそうに体験し、たくさん写真を撮られていたことも納得です。



ああ、そうだ。

蛇足もいいところですが、シルクルームの真下にあった象の鼻カフェでソフトクリームに一目ぼれし「寒い!寒い!」と言いつつ注文。ブログに載せるべく、いろんなアングルから写真を撮っていたら30枚目で象がはなを垂らしました(↓)。撮りすぎた(笑)美味しかったです。




なぜヒビノは多摩美術大学と産学連携するの?


ヒビノグループは、持続的な成長に向けた取り組みとして、未来に挑戦する人材とアイデアを育てる「ヒビノ・イノベーション活動」を2018年度から本格スタートしました。全従業員が担い手となり、グループ全社で推進しています。


この産学連携もヒビノ・イノベーション活動から芽吹いたプロジェクトの一つです。「映像・音響を使った次世代の芸術表現」をテーマに、ヒビノの『大型映像技術&音響技術』とアーティストを志す現役学生たちの『自由な発想力&創造性』を掛け合わせ研究を進めています。まだ始まったばかり。今回の共作「シルクルーム」は、産学連携プロジェクトから見れば通過点の一つにすぎません。


いつの日か、ヒビノ×多摩美術大学が生み出した新たな価値が商品へと形を変え皆様の役に立つかもしれないし、新機軸のサービスとなってコンサート・イベントに新しい息吹をもたらすかもしれない。未来を創造するチャレンジは続きます!他のプロジェクトも含め、皆様に紹介できる日が楽しみです。