おはようございます。広報のhiroです。
ヒビノは、超高精細LEDディスプレイを背景に仮想空間で撮影を行う最新鋭のバーチャルプロダクション「インカメラVFX」を提供する「Hibino VFX Studio」のレンタルサービスを7月1日(木)より開始します。
INDEX
1.百聞より一見です。Hibino VFX Studioの撮影映像
2.バーチャルプロダクション「インカメラVFX」とは
3.Hibino VFX Studioシステム紹介。世界初導入ROE Ruby1.5Fとdisguiseで実現する世界屈指のインカメラVFX4.丸ごとお届け。Hibino VFX Studioは外部スタジオへの設置が可能
百聞より一見です。Hibino VFX Studioの撮影映像をご覧ください
インカメラVFXは、3DCGを映した大型LEDディスプレイの前に役者や道具などの被写体を配置して撮影する技法です。
説明はひとまず後にして、インカメラVFX専用スタジオ「Hibino VFX Studio」を使い、仮想空間で撮影した映像作品をご覧ください。撮影後の合成処理は一切なし。実写です。
動画の最後、3分55秒あたりから、この映像がどのように撮影されたのかが少し種明かしされますが・・・種明かしを見た後に作品を見直しても、どこまでがリアルでどこからがバーチャルだったのか正直分からない。この超絶リアルな質感こそ、インカメラVFXの真骨頂です。
バーチャルプロダクション「インカメラVFX」とは
バーチャルプロダクションは、高度なデジタル技術を活用した撮影技法の総称で、その一つ「インカメラVFX」は、LEDディスプレイ・システム、カメラトラッキング、リアルタイムレンダリングを組み合わせた撮影技法です。
スタジオセットの背景となる高精細LEDディスプレイに3DCGで制作した情景(仮想世界)を映し、仮想世界と同期させたカメラで被写体と一緒に撮ることで、バーチャル空間の撮影をリアルタイムに実現します。
従来のCG合成で使われるグリーンバックをLEDディスプレイに置き換えることで、よりリアルなバーチャル映像を作り出します。
「大画面が描く仮想世界」と「人や道具など現物の被写体」、さらには天井や側面の環境照明用LEDディスプレイが被写体に及ぼす「光の演出効果」が、カメラ内でリアルタイムに融合し最終的な視覚効果を生成することからインカメラVFX(VFX = Visual Effectsの略)と呼ばれています。
Hibino VFX Studioシステム紹介
世界初導入ROE Ruby1.5Fとdisguiseで実現する世界屈指のインカメラVFX
Hibino VFX Studioは、インカメラVFXに必要な機能を備えるバーチャルプロダクションスタジオです。
「インカメラVFX」が脚光を浴びたのは、スター・ウォーズの実写ドラマシリーズ『マンダロリアン(The Mandalorian)』(2019年~)の制作に用いられたことでした。斬新な手法で作り出された映像の、あまりの完成度の高さに世界中の映画関係者が驚いたのです。国内に専用スタジオは存在しませんでした。ヒビノは、早期よりグローバルネットワークを活用し、未知の技術とされたインカメラVFXの知見を広げ、提供環境の構築を推進しました。
Hibino VFX Studioでは、マンダロリアンの撮影に用いられたLEDディスプレイのアップグレードモデルであるROE Visual社の新製品1.56mmピッチ「Ruby1.5F」を世界に先駆けて導入しています。
主なシステムを紹介します。
LEDディスプレイ・システム
①撮影エリア ROE「Ruby1.5F」(全長12m×高さ4m/W7,680×H2,560ピクセル)
②環境照明・天井 ROE「Carbon5」(幅6m×奥行3.6m、W1,040×D624ピクセル)
③④環境照明・側面 ROE「Carbon5」(幅1.8m×高さ3.6m、W312×H624ピクセル)
LEDディスプレイは、撮影エリアを覆うように正面、左右、天井に配置しています。
3DCGを表示する撮影エリアのLEDディスプレイは、ROEの1.56mmピッチ超高精細LEDディスプレイ「Ruby1.5F」です。優れた色再現能力を持つFlip Chip LEDを採用し、8Kスーパーハイビジョン放送の基準となる色域規格Rec.2020 85%に近い色空間を実現します。反射のないマットな表面も撮影に最適です。全幅12mの中央7mは、一辺50センチのLEDモジュールを1モジュール3度の角度をつけ緩やかにラウンドさせています。
この8Kに近い解像度を持つRuby1.5Fに映像を表示するのは、4K LEDプロセッサー「Tessera SX40」4台です。4K×4出力で1画面を表示しています。ヒビノの映像オペレーターが、色、色域、色温度の調整や1モジュールごとの色味や色むら補正など精細な調整を行い、常に最良の映像表示をご提供します。
天井と側面のLEDディスプレイは、バーチャル映像制作のカギを握る「環境照明」です。高輝度5,000cd/㎡の5.77mmピッチROE「Carbon5」を採用しました。空の青さや夕焼けのほか、炎の揺らめきといった動きのある環境光も再現し、情景が被写体に及ぼす光の効果を演出。映像にリアルな質感をもたらします。
メインシステム
システムの中核を担うメディアサーバーは、disguiseの「vx4」と「rxⅡ」です。disguise社のレンダーストリームという技術を活用しています。レンダリング専用のrxⅡ×2台が、Unreal Engine(*)で生成された3DCGをリアルタイムに処理し、vx4で書き出す構成です。出力ノードとレンダリングノードを完全に分離することで、出力ノードであるvx4の性能を最大限に発揮させ、完全に同期した4K解像度の映像を4出力可能にしました。
(*)アンリアルエンジンは、Epic Gamesが提供する3DCGのプラットフォームです。元はゲームのために作られた開発環境ですが、建築設計や広告、映像制作などあらゆる分野のクリエイターに活用されています。
カメラトラッキング・システムは、stYpe社「RedSpy」を採用しました。現実世界のカメラポジションとレンズ情報を正確に割り出し、仮想世界をリアルタイムに連動させます。非常に精度が高く、ヒビノではARやXRを活用したライブイベントで運用実績を重ねてきたシステムです。
オペレーション体制
メインシステムのオペレーションは、最先端の映像技術に精通するヒビノの映像オペレーターがサポートします。シンプルなシステム構築により、最小2名からのオペレーションが可能です。豊富な運用ノウハウでお客様のご要望、シチュエーションに広範囲に対応します。
丸ごとお届け。Hibino VFX Studioは外部スタジオへの設置が可能
Hibino VFX Studioは、当社施設内(ヒビノ日の出ビル)でご利用いただけるほか、外部の撮影スタジオへ全システムを搬入・設置しオペレートを行う出張が可能です。長期レンタルにも対応します。
ヒビノは、映像と音響で膨大なコンサート・イベントをサポートしてきました。Hibino VFX Studioを提供する当社ヒビノビジュアルDiv.が有する機材は、全て「仮設」を前提としたもの。現場の数だけ、搬入、設置、運用、撤去を繰り返してきました。ヒビノのいう運用ノウハウには、高度な映像技術はもちろん設営技術も含まれているわけです。
「最新鋭の映像システム」と「最先端の映像技術に精通する人材」を併せて提供するヒビノのスタイルは、このバーチャルプロダクションスタジオにもしっかり受け継いでいます。
映画、ドラマ、CMなどあらゆる映像制作にインカメラVFXを提供し、デジタル技術を駆使した映像作品の創出をバックアップしていきます。インカメラVFX専用スタジオ「Hibino VFX Studio」にどうぞご注目ください。
【スタジオウェブサイト】
【プレスリリース】
超高精細LEDディスプレイの大画面を背景に仮想空間で撮影ができるインカメラVFXスタジオ「Hibino VFX Studio」のレンタルサービスを開始(2021/05/13)(PDF/632 KB)
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